2022年8月3日(水)、日本財団会長笹川陽平氏が83歳にして、ハンセン病完全制圧を願い標高3776.12メートルの富士登山に挑戦、見事登頂に成功しハンセン病制圧を願う旗を掲げました。
この度、ハンセン病制圧の活動をより多くの方々に知っていただくため、笹川氏の挑戦にカメラが密着、動画が完成、公開されました。同動画のナレーションを務めたのは、日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)のスペシャルサポーターに2017年11月に就任して以来パラスポーツの振興のため活動してきた草彅剛。映像を通してハンセン病制圧にかける笹川氏の思いを受け止めていただきたいと思います。
笹川氏は、これまで世界各国を飛び回り、様々な社会課題に取り組んできました。そんな笹川氏がライフワークとして取り組んできたのがハンセン病の制圧。長いこと社会から隔離され偏見や差別を生むハンセン病を制圧したい、と半世紀にわたり笹川氏は70か国以上のハンセン病療養所をかけめぐり、開発された治療薬の提供を行い、偏見、差別からの解放を訴え続けてきました。活動を続ける笹川氏を今回、富士登山に突き動かしたのは2022年5月に笹川氏のもとに届いた1枚の写真でした。ネパール山岳学会会長サンタ・ラマ氏から送られてきたその写真に写っていたのは登山家のミングマ・ギャブ・シェルパ氏がエベレスト山頂で「Don’t Forget Leprosy(ハンセン病を忘れない)」の旗を掲げる姿。笹川氏は、ネパール山岳界へのリターンエールとして、そして全世界からのハンセン病制圧を願い、富士山頂で「Don’t Forget Leprosy」の旗を掲げたいと決意するに至りました。
約3700メートルの高度では酸素濃度が地上濃度の1/3に減少、30年前に登山経験があるとはいえ、83歳となった肉体にどんな影響があるのか、登頂成功は決して簡単なことではありません。しかし「友人が歴史上初の旗をエベレストの頂上で初めて揚げてくれましたので同じことを富士山で行いたいと思っています」と語り、笹川氏の決意は揺るぎませんでした。富士山頂と同程度の酸素濃度を再現可能な施設を利用し、長期間の低酸素トレーニングを実施、動画には黙々とトレーニングを続ける笹川氏の姿も紹介されています。
2022年8月3日(水)、笹川氏はハンセン病制圧を世界に訴えたいという思いを胸に富士登山挑戦を開始。動画では、軽快なスタートを切るも7合目あたりから山の厳しさを痛感させられ、経験したことのない激痛、低酸素濃度状態の中ならではの苦しみ、時には激しい雹にも襲われながら耐える笹川氏の様子が紹介されています。それでも友の思いをつなぐため、誰もハンセン病で苦しむことのない世の中をつくるため、笹川氏は歩みを止めません。「あきらめちゃいけません。人生も山登りも」と語りながら登頂を続ける笹川氏の挑戦のすべてをぜひご覧いただきたいと思います。
富士山頂では「執念で来ました。世界の人々に知ってもらわなければいけない。ハンセン病をなくすために本当にがんばりました。ありがとうみなさん」と語った笹川氏。
この機会に映像をご覧いただき、ハンセン病完全制圧に向けた今後の活動にも注目いただきたいと思います。
<映像概要>
タイトル:「富士登山への挑戦 ハンセン病制圧への願い」
動画視聴はこちらから:https://youtu.be/Wr9e6RHJiJ4
*日本語の字幕もつけています。必要な方はYou Tube上の設定から、字幕をオンにしてご覧ください。
<富士登山概要>
登頂実施日:2022年8月3日(水)
富士山標高:3776.12 m
<ハンセン病と日本財団会長 笹川陽平氏のハンセン病制圧活動>
ハンセン病は、らい菌が主に皮膚と神経をおかす慢性の感染病。治療法が確立された現代では完治する病気となりました。感染すると身体の変形をひき起こし障害が残ることがあり古くから恐れられ、長いこと社会から隔離され偏見や差別を受けてきました。笹川氏は偏見や差別を生むハンセン病を制圧したい、と半世紀にわたり70か国以上のハンセン病療養所をかけめぐり開発された治療薬の提供、偏見、差別からの解放を訴え続け、笹川氏の活動後1600万人が治癒し、笹川氏の半世紀にわたるハンセン病制圧活動によりハンセン病の未制圧国は、残りブラジル一国となりました。