6月13日(木)、宮城県塩竈市「塩釜水産物仲卸市場」にて、6月28日公開の映画『凪待ち』の関係者向け完成報告試写会が実施され、マスコミ陣を含め約100名の方が来場。
本作のロケスタート地点となった本市場にて、白石和彌監督が凱旋、昨年の6月18日に撮影が開始して1年、完成した作品を持ち帰り、当時の思い出などを語りました。
そこに、元々予定には無かった思わぬゲストの登場に会場はびっくり仰天。主演・香取慎吾が、どうしても来たかったと懇願し、この地での完成報告試写会のサプライズゲストとして登場いたしました。
多いに盛り上がった会場で、素晴らしい出来映えとなった本作の魅力と、冗談交じりの当時の思い出を語り、お客様は大爆笑。
また、市場関係者より、作品の大ヒット!祈願として、めでたい鯛や、本市場が、メバチマグロの水揚げ高日本一として有名な事から、マグロなど、塩釜漁港で捕られた魚の盛り合わせを2人にプレゼント。沢山の魚たちを目の前に「うわ~!」と大喜びの香取と白石監督。最後は、大きな大漁旗の前で、お客様向けの写真撮影を実施するなど、サービス盛りだくさんのイベントとなりました。
【香取慎吾 コメント】
いよいよ『凪待ち』が完成をしまして、1年前にお世話になった、この場所にまた来る事が出来ました。とても良い映画になったと思いますので、いち早くこの映画を皆さんに観て頂ける事を嬉しく思います。(サプライズ登場について)ど~しても来たくて!(会場拍手喝采)仕事のスケジュールで決まっていたのではなくて、どうしても僕が来たかったんです!
(ロケのスタートがこの市場だった事を振られると)なんか、そんな感じがしないんですよね。この市場が、“木野本郁男”という僕の役を作ってくれた最初の場所なんで、皆さんのおかげで、この役が完成したのかな、と思っています。この役を演じるのに、ぴったりな雰囲気でした。
震災から大分時間が経っていて、僕が東京で過ごしていると、年々ニュースでも見る機会が減ってきている。震災直後にも僕は何度か被災地を訪れていて、僕が始めて訪れた時の事を思い出すと、復興している部分もあるなぁと感じますね。撮影の期間もいろんな方に結構会って、町の方にお話を伺うと、写真を見せながら震災当時の事を話してくれる方もいれば、目を背けるおばあちゃんもいたり。それぞれの心の中に、そのときの事が、それぞれの形で刻まれているのだな、と感じさせられる時間でしたね。
やっとこの映画を見て頂く時が来ました。自分としては、人生の新しい道を歩み始めて約1年半、そんな中で、初めての(単独)主演映画として、力んだり、プレッシャーを感じる事もあったんですが、いま、そういう思いは全く無いです。そして、素晴らしい白石監督の最新作です。一人でも多くの方に見て頂けたらと思います。
【白石和彌監督 コメント】
ちょうど1年前にお世話になりました。(撮影の時には無かった)スクリーンがこうやって立っていて、逆に新鮮な感じです。(お酒のケースが舞台になっている事に)手作り感、素晴らしいですね(笑)『凪待ち』という作品は、ここでスタートしたので、沢山の方に、この場で試写会が出来る事が凄く嬉しいです。
今日は僕だけじゃなくて、どうしても来たいという方がいたんですよ。(含み笑いで呼び込み、香取登場すると)香取さんが、まさかのお酒のケースに乗っています!(笑)
僕の映画は、血なまぐさくて、バイオレンスな描写が多いんですけど、この映画は過去一番、“優しい映画”になったかな、と思います。
(香取のサプライズ登場について)香取さんが、なんで僕に声をかけてくれないんだ、という所から始まったんです。この市場が撮影の初日で、スタートから馴染ませて頂いたって感じでしたよね。本当に元気な市場でした。
(撮影時の印象について)脚本を書く前にも、現地の方に震災の事を聞いたことがあったんですが、撮影中もいろいろな方にお話を伺うようにしていました。よく「復興の半ば」という言葉を聞きますけど、復興には終わりが無いんだなと、感じたり、いろんな事を教わりました。オリンピックとか、国を上げての企画もあるかもしれないけど、復興はまだまだ終わっていなくて、その中に生きている人達がいる、という事を(映画という形で)残して行かないとな、と思います。
香取さんと初めてお仕事をするという事で、決して“暴力”だけの映画ではなく、“優しさ”の残る映画にしました。もちろん、東日本大震災もそうですし、世界中で悲しいニュースを見る事が多いと思うんですけど、すべての人に「凪」が訪れるように、という思いで作りました。
「凪待ち」公式サイト
http://nagimachi.com/