左から: 吉田羊さん、草彅剛、矢田亜希子さん
東日本大震災が発生して以降、NHK仙台放送局は被災された方々の声を絶えず届けてくださっています。
そして、2021年3月には震災から10年が経過します。時間と共に一体何が変わったのか、今回はドラマという形で、揺れ動いてきた被災者の心のリアリティを見つめたいと考えました。
被災者の10年間の心の葛藤、また復興への歩みを描き、コロナ禍のなか小さな希望を感じてもらえるドラマをお届けします。
この度、12月4日(金)、宮城県大郷町で、取材会が開催されましたので、出演者の皆さんのコメントをご紹介します。
主演 草彅 剛/小野寺(おのでら)潔(きよし) 役
宮城県牡鹿半島の海を望むイタリアン・レストランparadiso(パラディーゾ)のオーナーシェフ。
<コメント>
小野寺潔を演じる草彅剛です。毎回緊張はしますが、実際に起きた災害のことなので、今になっても悲しみが癒えていない方はたくさんいる。
被災された方の傷、気持ちが、自分にとってどういうものなのかと考えると、どういう風に演じたらいいのかというプレッシャーになったりもするので、頑張らないとなと思っています。
震災を風化させてはいけないと思う気持ちもあったり、実際被災された方の気持ちに寄り添えるような役になればいいと思っています。
吉田 羊/小野寺(おのでら)灯里(あかり) 役(主人公・潔の妻)
<コメント>
今回、震災後初めて、被災地に足を運ばせていただいたのですが、来るまでに10年かかったという申し訳なさもあり、少し緊張しています。
実際の仮設住宅の様子ですとか、現地に来なければ分からなかったことはたくさんあって、そうした景色が、今回の物語やキャラクターにリアリティーを持たせてくれるだろうなと感じています。
台本を読ませていただいた時に、震災というと悲しい面にフォーカスしているものが多いけれど、このドラマは悲しみや苦しみもそれを乗り越えてきた人々がいて、なお頑張り続けているというポジティブな面を描こうという気持ちを感じました。
今回のドラマではそのポジティブな気持ちを描いて、表現できたらいいなという気持ちでいます。
矢田 亜希子/阿部より子 役(主人公・潔の高校の同級生で美容師)
<コメント>
草彅さん演じる潔の高校の同級生で、地元の美容室で働いている美容師、震災で家族を亡くし一人で娘を育てている母親という役を演じます。
この方はすごく頑張り屋でこの10年とても苦しい思いをしてきただろうし、悲しい思いもしているけれど、人には弱音を見せずに、ずっと娘を育てて、頑張って、突っ走って、強がって生きてきている強い女性です。
そこで10年という節目で、このドラマの中でみんなが集まることができて、色々、彼女にとって思うことが、潔さんの「あること」がきっかけで彼女の思いもみんなに伝わるような感じになっていると思います。
たやすくできるものではないと思っておりますが、一生懸命演じたいと思いますので、どうか皆さま、見守っていてください。よろしくお願いします。
【制作統括】青木 一徳
<コメント>
東日本大震災について、NHK仙台放送局ではドキュメンタリーを中心に伝えてきました。
時間が経つにつれて、前に進んでいる人、家族を失いそのまま止まっている人、前に進んでいるけれど悲しみを引きずったままもがいている人など、様々な境遇の人がいるという事実を、ニュースやドキュメンタリーでは届きづらい層にも伝わるような、そして様々な境遇の被災者の人の背中をそっと押せるようなドラマを作りたいと思いました。
今回の出演者は、みんなが何か被災地・東北のために何かしたいと思ってくれていました。ドラマの話をした時にみなさん快く受けてくださり、そういう思いのある皆さんと、今、撮影が始まったところです。
コロナ禍という大変な時期に少しでも前向きな気持ちになれるようなドラマにもしたいと思います。
【あらすじ】
2021年3月11日、宮城県牡鹿半島。海を望むイタリアンレストランで、小野寺潔は友人たちを招き宴を開く。
被災地が厳粛な空気に包まれるこの日に、あえて酒を酌み交わそうという。どういうことなの?と、いぶかしがる友人たち。すると潔はこの会に秘められた深い理由を話し始めた―。
東日本大震災でレストランを津波で流され自暴自棄になっていた潔。一体どうやってレストランを再建し、最高の味を追求するシェフになれたのか?
苦難があっても、前向きに人生を送れるかもしれない。そんな思いになれる、極上の群像劇。
【放送予定】2021年3月6日(土)22時30分~ BS-プレミアム・BS4K
【出 演】草彅 剛
【脚 本】一色 伸幸
【演 出】丸山 拓也
【制作統括】青木 一徳
【出 演】
草彅 剛
吉田 羊
矢田 亜希子 他