このたび、大変ご好評をいただいた「最後の〇〇」が新たに放送されることが決定いたしました。
今、日本には人知れず消えつつある「最後の○○」があります。世界で唯一無二の職人の技、その工場でしか作られなくなった製品…いわば“日本のレッドデータ”。
今回登場するのは、京都で日本髪の“究極の美”を生み出す92歳、最高品質の“メイドインジャパン”を復活させた若き職人。 番組MCの草彅剛が「最後の○○」に光を当て、不屈の信念や生きざま、知られざる価値に迫ります。
日本の多様性を再発見する知的探求ドキュメンタリーです。
《草彅 インタビューコメント》
3度目の収録でしたが、毎回必ず良い発見や出会いがあります。前回テーマの“在来野菜”は、その後すごく調べて実際に買いに行きましたし、今回も職人の技で作られた物が本当に欲しくなりました。いつも何かしら影響があるんです。また、職人の方が生涯現役でバリバリ仕事をされている姿はすばらしいなと思いました。自分の仕事にとってもすごく刺激になり、また頑張ろうと思える番組です。
質問1 「最後の〇〇」は今回で3回目ですね。草彅さんから見てこの番組の魅力とは?
草彅:原点に返らせてくれるところですね。少し生き方を正してくれる番組だと思っています。今失われつつあるものの中に、生きる道標のようなヒントがある。もう一度、振り返ってみるといいものがあるのではないかと思います。
質問2 登場した職人の方へ、熱心に質問をされている姿が印象的でした。特にひきつけられたところは?
草彅:ハリケーンランプの質感と古めかしい加工にあたたかみがあり、そういうものが好きなので「あっ、欲しいな」と思い、次々と質問してしまいました。素直な気持ちが出てしまいましたね。髪を結う職人さんも本当にすばらしかったです。
質問3 お二人とも「好き」という気持ちがものづくりの中心にある方々でした。とても熱中している様子でしたが、草彅さんが時間を忘れて夢中になってしまうのはどんな時ですか?
草彅:デニムとブーツを見ている時が一番好きですね。手入れをしている時は夢中になっています。ちょっと汚れたブーツが大好きなので、あえて磨かないんです(笑)。シワや泥が付いていると、さすがに拭ったりしながら「これくらいの汚れ感がいいな」と眺めています。デニムも年代別に並べてみたり、履いていないものもあるので「このデニムはそろそろ下ろそうかな」とか考えている時、頭の中が無になってリラックスできています。
ー草彅さんにとって大切な時間なんですね。
草彅:そうですね。強がって「僕はもう、ものはいらない」と言ってしまいますが、実はやっぱり好きなんでしょう。新しいものも好きですが、昔のものも好きです。頭を空っぽにしてくれるので心にメリハリが生まれて、切り替えになりますね。
質問4 さまざまな職人の方がつながり合ってものが完成する様子を見ていかがでしたか。
草彅:一つのものを作るためにつながっているんですね。買ったものが手元にあるのが当たり前の状況ですが、それまでにはたくさんの人が手をかけて、いろいろな工程を経て一つのものが出来上がっている。それが手作りであればあるほど大変です。そういうことを改めて考えると「やっぱりものって大切にしないと」と思う。自分の基本を正してくれる感じがありますね。失われてしまうものや途絶えてしまうものもありますが、またいつかよみがえるかもしれない。一方で、失われてしまったことさえ分からない時もあれば、失われる寸前で知ることもある。そういった、失われつつあるものの中に大切なもの、忘れちゃいけないものはあるんじゃないかと、いつも思います。「最後の〇〇」では職人さんの熱意や情熱が分かりやすく伝わってきて、すごく楽しかったですね。
質問5 年齢にとらわれず前向きに頑張る方々の姿に、何を感じられましたか?
草彅:あんなにもエネルギッシュに情熱をもって楽しんで仕事をしている姿には、やっぱり憧れます。すごく刺激をもらいました。何よりも説得力がありますね。僕もこういう仕事をしているので、できる限り長く頑張りたいと思います。この番組は、僕にとっても今後の仕事においてもいいことがあるなと思っています。
質問6 草彅さんが仕事を長く続けてこられた中で大切にしていることは?
草彅:早く寝ることですかね。寝ればなんとかなる。早く寝て、起きてから考えよう! と(笑)。それが一番大事にしていることです。煮詰まってくると考えても進まないのでいったん寝て、起きると「あれ?なんであんなに夜中に考えてたのかな(笑)」となりますね。
質問7 これから挑戦したいこと、現在の目標を教えてください。
草彅:今、入っている撮影をちゃんとやる。それ以外は何も考えてないですね(笑)。コロナ禍になり、そんなに先のことを考えなくなりました。目の前に仕事があるならそれでいいと思っています。それを集中してやっているうちに次のこと、次の方向に向かえるんじゃないかなと。計画を立てて先のことを考えるのはもちろん大事なことですが、そればかり考えてもどうにもならないことがたくさんある。月並みですが、今日を生きる。それがすごくシンプルで難しいです。じゃ明日はどうするんだって感じですが(笑)。でもここ何年かはそういう気持ち。「今日がOKだったらOKでしょう!」と。
だから次に向かうのは明日ですね。今ある仕事に全力しかない。そうしているうちに次のことが見つかるんじゃないかな。目の前のことをしていきたいと思います。
《今回紹介する「最後の○○」》
①最後の「結髪師」・・・結えなくなれば、京都「花街」の美が消滅する?
②最後の「ランプ職人」・・・復活させた「メイドインジャパン」の神髄とは?
ミニコーナー「失われゆくモノが問いかけること」
「最後の○○ ~日本のレッドデータ~」
3月30日(水)18:00~18:59 NHK BS4K
4月15日(金)22:00~22:59 NHK BSプレミアム・BS4K同時放送
番組HP:http://nhk.jp/reddata
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