10月25日(木)より開幕する第31回東京国際映画祭の9つある主要部門の中で映画祭の顔となる“コンペティション部門”にて、『半世界』の出品が決定いたしました!
『エルネストもう一人のゲバラ』『北のカナリアたち』などの、日本映画界を代表する監督、阪本順治が、稲垣吾郎主演、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦といった話題の俳優陣の出演で贈る完全オリジナルストーリー。
かつて一緒に過ごした三人組のうちのひとりが前触れもなく田舎へ戻ってくる。何があったかを決して口にせず、仕事を辞め、家族と別れ、ひとりで帰ってきた。ワケありの仲間の帰還が、残りのふたりにとっては「これから」を考えるきかっけになっていく。
諦めるには早すぎて、焦るには遅すぎる40歳目前という年齢の男3人の視点を通じて、「人生半ばに差し掛かった時、残りの人生をどう生きるか」という、誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、そして新たな希望を描くヒューマンドラマです。
【コンペティション部門】は、2018年1月以降に完成した長編映画を対象に、世界109の国・地域、応募作品1829本の中から、厳正な審査を経た16本の作品を期間中上映します。
『半世界』阪本順治監督コメント
『半世界』は、私が以前から書き溜めていた異なる2本のあらすじを融合させ、さらに換骨奪胎に臨んで作り上げた物語です。ある地方都市の同級生3人と、その家族や背景を淡々と紡いだものです。
グローバリズムが叫ばれて久しいけれど、世界の一体化なんぞ、たかが経済のため。紛争も経済のひずみから。飯喰って働いて子孫を作って、こっちも世界じゃないのかよ。そんな想いが、この作品への動機となりました。
そして、製作過程において、映画作りは自分の居場所を見つける作業ではなく、自分の中に他者の居場所を見つける作業だということを、あらためて知ることができました。
新しい地図を携えて、未知なる土地へと。そんな私たちの新たな道行きを、ぜひご堪能ください。
<選定理由について>プログラミング・ディレクター矢田部吉彦によるコメント
『半世界』は阪本順治監督のオリジナル脚本が素晴らしく、3人の友情物語を軸に、複数のエピソードを交えながらやがて命の通った夫婦のドラマとしても見事に結実していく。
家族は少し面倒だなと思いつつ父から継いだ仕事に意地で向き合う主人公の姿には崇高なリアリティーが備わっている。自然な佇まいの稲垣吾郎は天性の映画俳優としての演技力をいかんなく発揮し、池脇千鶴が絶品の存在感で脇を固める。
東京国際映画祭
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